Archive for 3月, 2012

リンパ転移を発見できる最新鋭がん診断機器

金曜日, 3月 16th, 2012 | Permalink

がん転移、正確に診断する次世代PET-CT装置

中部地方の医療機関では初めてとなる最先端のがん診断が可能となる「次世代PET-CT装置」を、富大附属病院が導入した。

この最新のがん検査装置はドイツ・シーメンス社の最新型で、設置費用も含めた総額で約2億6千万円。1日6人程度の検診が可能で、一般の検診費用は90,750円。

画像撮影時間は従来の半分の10~15分に短縮され、従来より小さな5mm程度のがん腫瘍(しゅよう)を発見できる程に性能が向上した。病院は新しい装置を有効活用して、分子レベルのがん治療に役立てたいと話している。

新検査装置では、がんの活性度や悪性度などを診断できるPET(陽電子放射断層撮影)とがんの形や大きさが分かるCT(コンピューター断層撮影)を行える。撮影感度が向上したために画像の精度も高まり、リンパ節に転移したがん腫瘍でもがんの判別が可能となった。

また、患者が入る装置の口径は、閉所恐怖症や肥満気味の利用者にも対応できるよう従来より20センチ大きい77cmとなった。CTは体をスライスの断層撮影した画像を診断する方式で、放射線被曝の低減化も図られた。

筋肉進行した膀胱がんの克服体験談

木曜日, 3月 15th, 2012 | Permalink

膀胱がん闘病記をまとめて手記を出版

「誰でも膀胱がんになる可能性がある。」

膀胱がんの闘病生活をまとめた手記は「小心者の患者力」。
「手記ががんの早期治療の啓発になれば」と山本哲司さん(63)が自費出版した。

自覚症状は皆無だったが、2003年に血尿が出た。当初は数日すると普通の尿に戻ったため、残尿感があったが「もう少し様子を見よう」と放置した。

その後に度々血尿が出続け、2008年に固まった血で尿道が詰まり、尿が出なくなった。そして、救急車で北見赤十字病院(日赤)に運ばれた。

病院での精密検査の結果、膀胱がんと診断された。すぐに手術を受けたが、がんは筋肉まで進行していたために、1度では全部を切除できなかった。さらに手術では、膀胱を摘出し、人工膀胱を付けた。その手術の直後から、両足に痛みを感じるようになり、歩けない状態になってしまった。現在では少し改善したが、しびれや痛みは残っており、歩行には杖が必要なこともある。

山本さんは膀胱摘出の手術後から両足に障害を出て、その痛みとも闘かった。「自分で判断して血尿を放置し、その結果がんが進行してしまったのだ。体に異常があればすぐに病院に行ってほしい」と本の出版を決意した理由を語る。

手記には医師にがん宣告された時の心情を「『がん』イコール『死』という構図が赤信号の点滅の如くパカパカしていた」と綴っている。 このほか手記には、不安だった入院生活、家族の支え、合併症、リハビリなど、がんに苦しみながらも懸命に病気と闘い、克服した生活について紹介している。

膀胱がん体験談の手記は四六判130ページで1200円(税込)。