Archive for 1月, 2013

認可された肺がん新薬は分子標的薬

木曜日, 1月 17th, 2013 | Permalink

肺がん治療の新薬が販売認可された。

販売認可された肺がん新薬は、「エルロチニブ」(HER1/EGFRチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ)だ。

新薬エルロチニブは、いわゆる分子標的薬に分類される抗がん剤で、 EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者にとっては、特効薬となる可能性を秘めている。

肺がんの上皮増殖因子は細胞膜に存在するタンパク質のEGFR遺伝子の一部に結合することで、 がん細胞の増殖や分裂の加速や転移を引き起こす。新薬エルロチニブはEGFR遺伝子変異を抑制することで、がん細胞が活性するのを抑制するのだ。

新薬エルロチニブは、アステラス製薬が米国食品医薬品局(FDA)から販売認可を受けた。

胃がん、子宮がんを予防する正しい政策

水曜日, 1月 16th, 2013 | Permalink

胃がんの発病を劇的に減らせる政策がある。

胃がん検診の手法を刷新することで、胃がん死を劇的に減少させることが可能なのだ。

日本人に非常に多い胃がんの原因がピロリ菌であることが明白であるにもかかわらず、従来のバリウムでのエックス線検査による胃検診では、ピロリ菌への対策は皆無だ。

胃がんを撲滅する新しい検診方法とは、ピロリ菌への対策を中心に据える。簡単な血液検査で胃の炎症,萎縮,ピロリ菌感染の指標が把握できるペプシノゲン(PG)法や、ピロリ菌抗体検査を胃がん検診の中心とし、ピロリ菌陽性の場合には除菌治療を実施し、その後を内視鏡での経過観察とすることで、 胃がんの発病患者数が劇的に減少できることは明白なのだ。

胃がんの原因の大部分が、ヘリコバクター・ピロリ(Hp)菌感染であることが判っているのだから、原因に近い検査と治療の実施が最大の効果をもたらすのは容易に想像できる。

団塊世代が還暦を迎えることで、日本の胃がん患者数は増加し、胃がんによる死者も増えてしまう。さらには、胃がん治療の医療費増大が、保険財政をさらに圧迫することで、国すらも傾いてしまう大問題なのだ。

多くのがんが生活習慣病由来であるため予防は困難である一方で、ワクチンや抗生剤投与などで予防が十分に可能な、胃がん子宮がんなどの感染症由来のがんは、一次予防を優先することが医療行政の最大効率化として期待されているのだ。

胃がんでの死亡者数が年間5万人と、過去40年以上も減少していない事実は重く受けとめて欲しいものだ。