Archive for 1月, 2013

大腸がん再発を左右する手術後の食事

金曜日, 1月 11th, 2013 | Permalink

大腸がんの手術後の食事で、死亡リスクが80%も高まることが判明した。

米国国立がん研究所が発表した論文では、 ステージ3の大腸がん患者1万人を調査した結果、手術後の炭水化物の摂取量が多い大腸がん患者に、再発リスクや死亡リスクが高いことが確認された。

炭水化物の摂取量が多い大腸がん患者は、炭水化物の摂取量の少ない大腸がん患者と比較して、再発リスクや死亡リスクが80%も高いのだ。術前から肥満状態である大腸がん患者ではさらにリスクが高まる傾向があった。

肉や穀物を中心とした西洋型の食事が大腸がんの大きな発症要因、再発原因であることは、明白だったが、「何」がリスクなのかを特定することは困難だった。「赤身肉が大腸がんの原因だ」「糖質が大腸がんを再発させる」等々の論争が続いている。

今回の研究で少なくとも大腸がんの手術後の再発予防に関しては、炭水化物の摂取制限が有効であることが明確になったことは、福音といえるだろう。 大腸がん手術後の生存率を改善するには、炭水化物の摂取制限をすることが有効なのだ。

肺がん,乳がん に効果大の”光”治療法

木曜日, 1月 10th, 2013 | Permalink

がん の光治療に高い治療効果が認められ、実用化への期待が高まっている。

がんの光治療とは、がん細胞に近赤外光を当てることによって熱でがんを破壊する治療法。がん細胞特有のたんぱく質に結合し、近赤外光で発熱する化学物質を、事前に注射することで、近赤外光の照射によってがん細胞だけが壊死する新治療法だ。正常な細胞は傷つけず、副作用も無く、患者の負担が軽いがん治療法として期待されている。

既に2011年には、マウス実験で光治療法によってがん細胞が破壊されることは実証されていた。しかし、近赤外光を患部へ直接に照射する必要があるため、体内深部のがん治療には開腹もしくは腹腔鏡による手術が必要であり、さらに複数回の照射が不可欠だったため、患者負担を考慮すると光治療の最大の課題であった。

今回の改良では、薬剤と体の外から光を当てる治療法を組み合わせることで、マウス体内のがん細胞を1回だけの光治療で破壊することに成功した。

解決する改良された光治療は、 がん細胞に集まりやすい加工を施した新しい抗がん剤「ナノ製剤」の併用とした。

子宮がん由来の悪性腫瘍を体の深部に発症したマウスに対して、光治療を施し、続いて抗がん剤を注射した。結果は10匹のマウスのうち6匹は1回の光治療だけでがんが消え、6カ月後も生存していた。他方、薬だけや、1回の光治療だけのマウスは、いずれも2カ月以内に死んでしまったのだ。

分析では、がんへの薬剤の集まり度合が、光治療をしない場合の約20倍に向上したとされている。

がんの光治療法の改善は、米国立衛生研究所が米化学会ナノテクノロジー誌へ発表した。

がんの光治療は、頭頚部がん、肺がん、乳がんにも効果があるとされ、早期の実用化が期待されている。数年内でのがん治療への臨床応用から新がん治療法として実用化を目指す予定だ。