乳がん、肺がんの転移原因の酵素を抑える新薬

がん細胞の転移に重要な役割を果たす酵素が特定された。

ADAM28という酵素が肺がんや乳がんの細胞で強く働いているおり、がん転移の際に働くため、この酵素の抑制で がん転移が抑制できるという。マウスの実験でこの酵素ADAM28の働きを阻害したところ、がん転移を劇的に減らせたのだ。

がん細胞は通常、血管に入るとほとんどが死滅するが、一部のがん細胞が生き残って他の臓器に辿り付くことでがんが遠隔転移してしまのだ。しかし、遺伝子操作で酵素ADAM28が働かないようにした肺がん細胞をマウスに注射すると、通常の肺がん細胞を投与した場合に比べ、肺への転移が6分の1に抑えられた。また、酵素ADAM28が働かないようにした乳がん細胞を乳房に注射した場合、脳や腎臓、肺、肝臓などへの転移も5分の1程度に抑制できた。

近い将来に、ADAM28の働きをコントロールする抗がん新薬が開発されることで、がんの転移を抑制できるようになる可能性が高まっている。

研究成果は、慶応大医学部のチームが米国立がん研究所雑誌に発表した。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

WP-SpamFree by Pole Position Marketing